本がホントに面白い。

本を読んでる時間がないけど、大事なポイントはサクッと押さえておきたい人向けに発信していきます

熱狂宣言:小松成美さん著作

 

ギブアンドテイクの人付き合いが増えると、時々ふと気心知れた人との時間がすごく貴重に感じることがある。

10回の会食よりも、1回の気心知れた友人との飲み会が楽しくなる。

 

世の中の、それも上場企業の経営層になると、右手で握手して左手でパンチをするような

人付き合いが必要になるのではないか?とか思う。

 

「九州熱中屋」などで有名なダイヤモンドダイニングの社長、松村厚久さんのこれまでが描かれている

この「熱狂宣言」は、私たちの知らない世界を教えてくれる。

こんなにも温かくて、人に対して熱い世界があるんだと、教えてくれる。

 

事業家の多くは、創業を思い立つ頃から始まり現状のところまでを振り返りながら

山あり谷ありの道のりの感動と苦労話を綴ってくれている。

あぁ、こんな時にこんな判断をするんだ、凄いな・・・。と思わせてくれるが、

この本はまるで違う。

山あり谷ありの道のりには、本当は苦労が隠れているはずなのに、

その話をする本人はきっとにこやかな表情で語ったんだろう、凄いな・・・。

と思わせてくれる。

それは、どうしてなんだろう。

 

それはもしかしたら、社長自身が「若年性パーキンソン病」という病と闘いながら

経営を続けている想像を絶する大変な苦労を

ひた隠しにしてきたからかもしれない。

 

熱狂宣言は、社長が出版する自分のこれまでのストーリー=自叙伝ではなく、

松村厚久という人の全てを伝える本だった。

 

 

飲食業界でどんどん大きくなっていき、人気を増していくダイヤモンドダイニングの社長の

半生、病と闘う姿、そしてその姿を本当のことを伝えられなくても必死に支えてい仲間の力。

 

右手で握手して、左手でパンチをすることも多い経営者の辛さも

病と闘う苦労も、

上場した以上は数字を作っていかなきゃいけない現実も、

いろんなものを背負いながら

それでも、相手を、人を喜ばせるために動き回る力。

 

ギブアンドテイクの人付き合いだけで終わらせないから、

きっと彼の周りには力になってくれる人がたくさんいて、

いろんなものをひっくるめて、抱きしめてくれそうな暖かさ。器の広さ。

 

そんな姿を、私たちはこの本を通じて知ることができる。

 

 

私は、時々ふっと人付き合いに迷うことがある。

人のために力になるだけでいいのかな、

自分が何を得たいか、整理しなきゃいけないんじゃないかな・・・。

と思うことがある。

 

でも、この本を読んでると、そんなことは考えなくてもいいんじゃないかと思える。

きっと自分が大事だと相手のために力になれることを考えて、実行していけば

自分は知らずしても、相手に何か響くはずだし、

その響いた結果が自分に返ってこなくても、誰かに伝わっていけばいいな、と思う。

 

そんな綺麗事じゃ片付けられないこともたくさんあるけど、

いつかそんな綺麗事が、「綺麗事じゃ片付けられないこと」よりも多く、濃く

あって欲しいなと思うし、きっとそうなるんだろうなと信じることができる。

 

当たり前に明日が来て、当たり前に今日が終わる。

 

それでも、今日が終わる時に明日が来ることに怯えたりはしない。

でも本当は、明日も続くとは限らない。

 

松村さんは、そんな1日1日の重みを知っていて、

猛烈なスピードで動いている人なんだと思った。

 

そして、こんなにも美しい言葉で相手の半生を文字に落とし伝えていく

著者、小松さんが見えている世界とはなんて美しいんだろうとも思う。

小松さんと松村さんの関係性は、とても美しくて、羨ましい。

 

 

私も

自分にできることを、自分にできるなりにやっていきたい。

できるだけ早く、できるだけ濃く、できるだけ楽しんで。

 

できたらそれを、大事な仲間と共に。

 

急ごう。

 

 

 

急いで、大切なことをはしょったら意味ないけど、ちゃんと積み上げた上で急ぐんなら、それはそれでいいことだと思うんです。

松ちゃんは、今、急いでいる。その姿に僕も背中を押されています。

 

 

 

 

熱狂宣言 (幻冬舎文庫)

熱狂宣言 (幻冬舎文庫)